「案山子」(かかし)演奏が始まって知可子さんの歌声を聴いた瞬間、
あれだけ涙が出ていたのに、もっともっと溢れて顔を上げても眼元から
こぼれてきて、こんなにまでになった自分に動揺し、周りも同じく心のつぼ
に優しさがしみていたよう・・・。
一部も二部も、会場全体が舞台を演じる女優がクライマックスに、やられた
感じに。でも、知可子さんは、そんな姿を見ていてもしてやったりと思わない。
私の歌声でいろんな想いを出してくれたことに、ありがとうと心を込めて歌い、
語りかけてくれたからでしょう。
こんな状態で冷静さを失い、気持ちの切り替えが出来ぬまま時は過ぎて。
スクリーンに映し出された映像。
緑の草原に風が吹き、雄大さの中に心地よさを表している。
知可子さんの歌声・・・。
お姉さんが弟を慰めるように、お母さんが母性を感じさせながら、優しく包む。
「さとうきび畑」の歌詞にある、ざわわ〜ざわわ〜。
あのときの異常なまでに盛り上がった気分を落ち着かせ、少しづついつもの
よえに聴けるまで戻してくれた。
同じ楽曲なのに編曲や演奏方法で変わる。
歌手の表現力も試される今回の企画、この楽曲もその一つではと。
「My Revolution」渡辺美里さんの代表曲、元気いっぱいに歌う姿が
印象に残ってます。知可子さんが出した答え。
力強く、早いテンポで歌う美里さんと対照的に、速度を落としでも歌詞に
力を込めていても、力み過ぎないバランスの良さ。
歌手それぞれのタイプとか、いろんな要素があるんだなぁと改めて思い、
次の歌への予告となっていたのでした。
最近の楽曲、世代が違うなどと言い訳してしまう自分。
でも、アイドル歌手全盛に青春時代を過ごした者としては、今の若い世代を
羨ましく感じるのです。
歌い出しを聴いて意外な感じる間もなく、林さんのギターが激しく・・・。
ポルノグラフティー「サウダージ」に、いなされた気分に・・・。
こんなにまで激しく歌い上げる知可子さん、自分が聴いた範囲では初めて
ではと記憶を探りつつ、ショックを軌道修正して冷静さを取り戻し、激しさに
身を任せるように。
ボーカリストとギターリストとの最高のものを出そうとするあまりの魂の衝突、
林さんの眼が注ぐ勢いを表し、圧倒されている自分。
笑顔の素敵な林さんが、鬼神に魂を奪われたごとく。
ただ、激しいだけじゃなく、歌と技の裏づけされた証あってのことだけど、
とんでもない方向へ行くようで怖いくらい。